荒船風穴は、群馬県下仁田町の西端、信州にほど近い標高840mの山中に位置する、天然の冷気を利用して蚕種(蚕の卵)を保存した施設である。併せて世界遺産に登録された「高山社」に在学中だった庭屋千壽がこの風穴に着目、数回の踏査を経て蚕種の貯蔵に適していることを確認し、父静太郎へ報告。1905年(明治38年)、父の庭屋静太郎によって建設された。山の斜面の岩の隙間から年平均摂氏2度前後の冷風が吹き出すことから、斜面に石積みを築き、その上に土蔵造りの建屋を設け、蚕種を貯蔵した。蚕は自然の状態では年に一度春に孵化するが、風穴で卵を保存することにより、時期をずらして夏や秋にも卵を孵化させることができるようになり、繭の生産量が飛躍的に伸びた。当時、全国の蚕種農家から保存のために、この地に蚕種が集まったとされる。現在は建屋は失われ石積みだけが残されているが、今でも冷風は吹き続けおり、その冷たさを体感することができる。荒船風穴は冬季(12月1日~3月31日)は閉鎖されるが、下仁田町の中心部にある下仁田町歴史館では風穴の再現模型をはじめ多様な関連資料が展示されており、一年中見学することができる。荒船風穴〈荒船風穴〉と関連のあるおススメ見学施設田島弥平旧宅・高山社跡・競進社模範蚕室444443254夏場、冷風が吹き出す「奇跡の風景」をみられるかも。(写真提供/下仁田町)▲今は現存しない建屋のジオラマがこの歴史館内に展示されている。(写真左) 歴史館にはほかの資料も展示されているので、ぜひ立ち寄りを。(写真右)〒370-2626 群馬県甘楽郡下仁田町南野牧屋敷甲10690見学時間9:30〜16:00 休場日12月1日〜3月31日※冬期閉鎖のため見学不可見学料500円アクセス上信越自動車道下仁田ICから約50分風穴駐車場から徒歩約15分土・日・祝は9:30から30分毎にシャトルバス運行中お問い合せ0274-82-5345 下仁田町歴史館29ぶらっと3時間周遊&ちょい寄りグルメ〈下仁田IC〉御場山神津牧場荒船不動御堂山春秋館跡野牧寺物語山▪荒船風穴
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