上武絹の道ブログ
渋沢栄一関連施設の「誠之堂・清風亭」に行ってみた!
2019.11.18
新一万円札の肖像や2021年の大河ドラマに選ばれたことで話題の渋沢栄一。
「上武絹の道」エリアは、渋沢栄一と深い関わりがある地域で彼に関する施設や史料が数多く残っています。
今回は、渋沢栄一生誕の地である深谷市に残る「誠之堂・清風亭」をご紹介します。
「誠之堂・清風亭」は東京都世田谷区にありましたが、平成に深谷市大寄公民館の中庭に移築されました。
レンガの外壁の建物が「誠之堂」、白壁の建物が「清風亭」です。
まずは「誠之堂」
第一銀行初代頭取だった渋沢栄一の喜寿を祝って建てられました。
「西洋風の田舎の家」がテーマとなっており、どこか懐かしく落ち着く雰囲気を感じました。
外壁を良く見てみると、色ムラのレンガを使い ひし形のデザインが施されていました。
室内装飾も凝っていて、中国・朝鮮・日本など様々な要素がバランス良く盛込まれていました。
特に窓を彩る6面ステンドグラスのデザインは中国漢代の「画像石」の図柄を模したもので、お祝いをする人々の絵柄や、
皇帝・皇后を表す龍・鳳凰のデザインが施されていました。
建設当時、ステンドグラスが施された家は先進的かつお洒落だったのかなと思いをはせました。
又、屋根には風見鶏がついていますが、方角がなんと!漢字で示されていました。
西洋風の建物に漢字の風見鶏。なぜ漢字にしたのか知りたくなりました。
そして「清風亭」
第一銀行2代目頭取だった佐々木勇之介の古希を祝って建てられました。
当時流行していたスペイン風の外観で、瓦やベランダ、煙突、出窓などに様々な装飾が施されており、
「お洒落な建物」という印象を受けました。室内の天井に石膏彫刻が、窓際のベンチには木製彫刻がそれぞれ施されており、
室内外共に「凝っているな」という印象を受けました。
暖炉の上には当時の写真も飾られており、「清風亭」内で会食している様子を見ることができます。
室内には写真と同じような長机や椅子が置いてあり、その中の椅子1脚だけ当時のものだそうです。
「清風亭」を訪れたら、どの椅子が当時のものなのか、よく観察してみるのも面白いですね。
また、某国民的歌手がミュージックビデオを撮影した場所として一部のファンには有名で、聖地巡礼に訪れる方もいるそうです。
どちらの建物も、第一銀行の行員たちが渋沢栄一と佐々木勇之介の為に出資を募って建てたものです。
時代が違うとはいえ、決して少ない金額ではなかったと思いますが、行員たちが祝いたい!この人の為なら!
と思うくらいこの2人が立派な人物で慕われていたのだなと、建物を見学して強く感じました。
渋沢栄一は、世界遺産である「富岡製糸場」の創設にも深く関わっており、私達の身近にある多くの企業とも関わりがあります。
新紙幣や大河ドラマでスポットが当たったこの機会に是非、渋沢栄一の足跡を辿って様々な場所を訪れてみてはいかがでしょう。
【誠之堂・清風亭】
住所:埼玉県深谷市起会110番地1
※カーナビ等で検索する場合は深谷市起会84-1(大寄公民館の住所)
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:年末年始(12月29日~1月3日)
見学料:無料