施設・人物・史跡絹産業遺産をめぐる

庭屋 静太郎

2019.05.27 | 世界遺産 荒船風穴

群馬県下仁田町に、息子の千壽が物見山東麓にある冷風の吹き出し場所を蚕種の貯蔵庫として利用することを思いつき、1905(明治38)年から1914(大正3)年にかけて我が国最大の蚕種貯蔵施設「荒船風穴」を経営した。
風穴は、温度変化の少ない山間部で天然の冷風が吹く風穴を利用して蚕種を保存する施設で、これにより年1回しかできなかった養蚕が、複数回可能になり、日本の蚕糸業を飛躍的に発展させた。