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ルート<3>近代養蚕の祖 田島弥平の功績を知る―田島弥平旧宅

IC降りてぶらっと3時間周遊&ちょい寄りグルメ Vol.02

近代養蚕・飼育法の祖 田島弥平の旧宅

飼育法の完成のみならず、蚕種のイタリア直輸出や蚕の病気検査にも尽力。
近代養蚕・飼育法を学べる遺産を見学

 1822年(文政5年)、上州・武州の境目に位置する蚕種(蚕の卵)の産地、島村(現伊勢崎市境島村)で生まれた田島弥平。研究熱心だった弥平は父とともに東北などの蚕種の産地を訪ね、蚕種製造に適した養蚕方法を模索し、のちに、養蚕の教科書ともいえる『養蚕新論』(1872年刊行)、『続養蚕新論』(1879年刊行)を発表し、全国の蚕種農家、養蚕農家に影響を与えた。
 通風を重視し、自然に近い状態で蚕を飼う「清涼育」という飼育法を完成させた弥平は、二階の蚕室の四方に窓を取り付け、新鮮な空気を取り入れて自然に近い環境を作り出すとともに、屋根には換気のための「櫓(天窓)」を取り付け、その「気抜き窓」を開閉し、蚕室内の温度や湿気を調整できる養蚕に特化した母屋を、1863年(文久3年)にこの地に建てた。これが田島弥平旧宅である。
 この様式の家屋は「島村式」蚕室と呼ばれるようになり、その後養蚕民家のモデルとなり各地に広がった。
 また、弥平は1872年(明治5年)には村の有志ともに優良蚕種の製造・販売を行う島村勧業会社の設立に参加。1879年(明治12年)には、社員2名とともに蚕種を携え、イタリアへ直輸出も行った。その際に持ち帰った蚕の検査をするための顕微鏡や自身の自画像などは、今も残されている。

旧宅は、現在子孫の方が生活しているため通常は内部の見学はできないが、近くにある田島弥平旧宅案内所で資料や模型、解説パネルの展示があるほか、隣接する同様の大型養蚕民家では蚕室も見学できる。


■田島弥平旧宅
〒370-0134 群馬県伊勢崎市境島村2243
開場時間 9:00~16:00 
     ※建物内への立入は禁止。見学は庭及び桑場1階まで
休場日  年末年始(12月29日~1月3日)
見学料  無料
アクセス 関越自動車道本庄児玉IC下車、約20分
電話   0270-75-6672 伊勢崎市教育委員会 文化財保護課