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ルート<2>兄と切磋琢磨し、養蚕技術を伝習した施設―競進社模範蚕室

IC降りてぶらっと3時間周遊&ちょい寄りグルメ Vol.02

新しい養蚕飼育法「一派温暖育」を考案した木村九蔵。

兄である高山長五郎の高山社跡と合わせて見学し、
近代日本の産業に取り組んだ兄弟の絆を感じて欲しい。

 世界遺産の構成資産である高山社跡にゆかりの深い施設が、埼玉県本庄市にある競進社模範蚕室。高山社を開いた高山長五郎の実弟で武州新宿村(現、埼玉県神川町新宿)の木村家の養子となった木村九蔵は、兄と情報交換をしながら養蚕技術を磨き上げていき、炭火と換気によって蚕室の温度・湿度を調節する「一派温暖育」という養蚕法を確立。兄、高山長五郎の「清温育」とともに、日本各地の飼育に適応できる養蚕法として全国に広がった。
 九蔵は1877年(明治10年)、児玉郡新宿村で若者たちと養蚕改良競進組を結成、のちに事務所と伝習所を設置して、高山社同様、養蚕を担う農家を指導する教育機関となった。
 1894年(明治27年)には自ら設計した蚕室を競進社伝習所内に建設、この蚕室は後に「模範蚕室」と呼ばれるようになり、現在も往時の姿のまま残されている。九蔵は養蚕の発展には教育が重要と考え、1897年には伝習所を「競進社蚕業講究所」とし、さらに学制の改正により、「競進社蚕業学校」と改めた。
 現存する蚕室の建屋は4基の櫓がついた美しい外観で、内部では室温を調整するための炉や通風を考えた部屋の仕切りや天井の構造などを間近に観察することができる。

■競進社模範蚕室
〒367-0212 埼玉県本庄市児玉町児玉2514番地
見学時間 9:00~16:30 
休場日  月曜日(月曜が休日の場合は翌日)/年末年始(12月28日~1月3日)
見学料  無料
アクセス 関越自動車道本庄児玉ICから約15分
電話   0495-25-1186 本庄市教育委員会事務局文化財保護課